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いますぐ本格的な耐震化が無理ならリスク低減を

国土交通省住宅局が「木造住宅の安全確保方策マニュアル」というものを公開しました!

国は、住宅・建築物の耐震化について、これまでも積極的に取り組んできていますが、
阪神・淡路大震災や東日本大震災、熊本地震の発生と状況を経て、さらに取り組んだ上でも、
令和6年能登半島地震においても多くの家屋が倒壊し、死傷者が発生しました。

能登半島地震では、
「持ち家比率が高い」や
「所有者の多くが高齢者世帯である地域において住宅の耐震化率が相対的に低い」という事実も
明らかになりました。

その要因としては、
「耐震改修等を行うための資力不足」や
「耐震改修等を行うことについての動機不足やためらい」等が考えられています。

いつもは「耐震化」必須!!と、必要性や補助制度などを上げていますが、今回は違う注目を。

「耐震改修等を行うことについての動機不足やためらい」…分からないでもないです。
もちろん命が一番大事だとは思います。
しかし、補助制度があるとはいえ、本格的な耐震改修となると、それなりの費用が掛かります。

さらに、若者世帯やこの先何十年とその住宅に住み続けることが確定しているのならまだしも、
特に高齢者世帯で家を継ぐ人がいない場合など、費用と手間を掛けて改修してもな…というのは
当然湧き上がってくる気持ちだと思います。

特に地震の少ない地域だとなおさらです。

今回のマニュアルは、住宅の「耐震化をより一層進めるための方策」とともに、様々な理由で、
本格的な耐震改修等を行えない場合でも、「居住者の命を守る観点から、リスクを低減するための
方策を含めて普及することを目的」として、作成されました!

さて今回の注目点、、
やむを得ない場合でも、暫定的・緊急的な対策として、人命の安全確保につながる可能性がある
多様な方策を講じ、居住者の命を守る観点から地震からのリスクを低減する

大地震に対する安全性を確保するためには、耐震改修等により耐震基準を満たす住宅に住むことが
最も重要。ただし、所有者の資力等の要因により耐震改修等を行うことができない場合でも、何も
しないよりは、居住者の命を守る観点からリスクを低減し、人命の安全確保につながる可能性の
ある暫定的・緊急的な方策を講じることも有効であると考え、その方策があげられています!

■地震からのリスクを低減するための方策の実施

①段階的な耐震改修工事の実施
最終的には住宅全体の耐震改修を想定しつつも、当面の措置として、耐震基準に満たない水準で補強

注意点:
・大地震時の倒壊の危険性がなお残っていることの周知
・その補強により全体のバランスを失するなどして倒壊の危険性が増していないかの検証
・最終的な住宅全体の耐震改修に向けたフォローアップの実施等が必要

②部分的な耐震改修工事の実施
主たる居室や寝室の構造部分のみの補強や、屋根の軽量化のみなど部分的に改修

注意点:
・大地震時の倒壊の危険性がなお残っていることの周知
・その補強により全体のバランスを失するなどして倒壊の危険性が増していないかの検証
・住宅が倒壊して閉じ込められた場合には火災や津波から逃れることができないこと
⇒それを防ぐための救助・避難体制の確保等が必要
・耐震シェルター等が住宅の倒壊に対してどの程度の強度を有するのか、技術的な情報を得る
⇒大地震時の際に他の部屋から逃げ込むことが極めて難しいということについても周知

③命を守るための家具等の導入
住宅の構造部分等の改修工事までは行わず、耐震ベッドや耐震テーブルといった家具等を購入

注意点:
・大地震時にはその家具等がある場所にいなければ住宅の倒壊による命への危険があることの周知
・住宅が倒壊して閉じ込められた場合には火災や津波から逃れることができないことの周知
⇒それを防ぐための救助・避難体制の確保等が必要
・これらの家具等が住宅の倒壊に対してどの程度の強度を有するのか、技術的な情報を得る

④命を守るための住まい方の工夫
万が一、建物が倒壊したとしても、地震からのリスクを低減するため、2階建ての場合、2階を主たる
寝室にするなど、住まい方を工夫する

注意点:
・大地震時には命に関わる危険性がなお残っていることの周知等が必要

リスク低減の方策には、注意しなければならないことが多くありますが、「何もしないよりは」を念頭に
入れて、徹底するしかないですね。

詳しくはコチラで確認!↓↓↓

国土交通省「木造住宅の安全確保方策マニュアル」

地震家の維持管理災害耐震