「リバースモーゲージ」
聞かれたことがありますか?
高齢者向けの融資のお話です。
自己所有の自宅や土地を担保にして、そこに住み続けながらも「融資」が受けられるローンです。
年金生活で、さらにローンを返済できる余裕などない!と言われる方、
「リバースモーゲージ」は通常のローンとは違い、基本的に【元金】は死亡時に担保を処分して
一括で返済するようになります。
では毎月の支払いは?
支払い方法は大きく2つ。
①毎月金利のみを払う(元金は払わずそのまま死亡時に一括返済)
②毎月払わない(元金に金利分も合わせて死亡時に一括返済)
肝心の融資方法は?
融資の受け方は色々あり、融資先や用途によって様々です。
融資限度額内を前提として…
1.必要な時にその都度融資を受ける
2.年金のように、適期的に融資を受ける
3.一括で融資を受ける
なぜ融資方法や支払い方法が複数あるのか?
「リバースモーゲージ」を行っている事業者によって、
「何に使うか?」の制限や、利用できる「条件」が違うからです。
例えば、公的機関で地方自治体や社会福祉協議会が行っているものは、
安心だけれども、所得制限があり低所得者に限られています。
大きく分けると…
●厚生労働省:社会福祉協議会「不動産担保型生活資金」
[条件]低所得の高齢者世帯
[用途]生活資金を貸し付け
●住宅金融支援機構「住宅融資保険付リバースモーゲージ型住宅ローン」
[条件]60歳以上(リ・バース60の場合)
[用途]住宅の建替え・購入、住宅のリフォーム、サービス付き高齢者向け住宅の入居一時金、
住宅ローンの借り換え等、住宅に関する用途限定
●金融機関独自の「リバースモーゲージ」
[条件]住宅の担保価値による
[用途]基本的に制限なし
金融機関の一例
→みずほ銀行「みずほプライムエイジ」
→三井住友銀行「SMBCリバースモーゲージ」
→りそな銀行「あんしん革命」
「リバースモーゲージ」のメリット・デメリット
■メリット
・高齢者でも融資が受けられる
・自宅に住みながら融資が受けられる
・生活資金、趣味・レジャー資金、家族のための融資、住宅の補修、万一の備えなど様々な用途に使える
・毎月の支払いが少ない
■デメリット
・長寿リスク
融資には限度額があります。少しずつ借りていても、長生きしていつの間にか限度額まで達してしまうことも。
・金利上昇リスク
毎月金利のみを返済している場合、金融機関は「変動金利」を採用していることが多いので、
金利が上昇すると、毎月の支払額が増えてしまうことも。
・担保の下落
担保にしている住宅や土地の価値が下落すると、「融資限度額」が変わることも。
既に「融資極度額」以上の融資を受けていた場合、差額の返済を求められることも。
まとめ
持ち家はあるが現金の貯蓄が少ないという、高齢者世帯を対象にした制度です。
昨今、子供のいない夫婦や、子供がいても独立して子供は子供で持ち家を持っている家庭が増えています。
誰かに家を残す必要がないなら、住みながら生前に家を現金化する感覚で、年金にプラスで融資を得て、
安定した豊かな老後を過ごすのもいいですね。
しかし融資は融資、リスクも含めてよく検討した上でご利用下さい!
災害型リバースモーゲージ
被災された高齢者向けの「リバースモーゲージ」があります。
資金調達が難しい高齢の被災者が、低負担で現地再建できる手段として注目されています。
2018年7月の西日本豪雨で甚大な被害を受けた岡山県倉敷市は、住宅金融支援機構と連携し、
「リバースモーゲージ」を利用して、自宅を再建する高齢者の毎月の返済額を半減させる
新たな制度が創設されました。
制度新設の背景には、被災した元の土地での自宅再建を望む高齢の被災者の声がありました。
土地への思い入れが強く、80%以上の方は再建は元の土地へと希望されています。
また、この制度がなかったら、68%は持家再建を断念していたというアンケート結果もあります。
→住宅金融支援機構:災害復興住宅融資(高齢者向け返済特例・倉敷市補助型)
→岡山県倉敷市:住宅再建融資(倉敷市被災高齢者向け住宅再建支援事業)チラシ