使用されていない空き家は年々増えていて、持ち主の分からない空き家は倒壊の恐れがあるなど問題になっています。
平成25年に総務省が実施した住宅・土地統計調査によると、
□平成25年10月1日時点
全国総住宅数6,063万戸のうち、空き家は820万戸
その中でも、「その他の住宅」とされる
・転勤、入院などのために居住世帯が長期にわたって不在の住宅
・建て替えなどのために取り壊すことになっている空き家
の数は318万戸となっています。
過去10年間で1.5倍、過去20年間では2.1倍に増加しているそうです。
持ち主が将来的に、住む予定がある空き家なら税金を払っていくのもやむを得ないですが、
住む予定のない家を相続した場合が問題です。
すぐ売却や解体ができれば良いですが、持っているだけで税金などずっとお金が掛かり続けます。
この困った空き家を売却(譲渡)する時に、※一定の条件を満たした場合、
譲渡所得から3000万円を控除できる制度が2016年4月に導入されました。
※一定の条件とは…(少し分かりやすく)
○相続してから、3年を経過する年の12月31日までに売却しないといけない
○相続した家が、1981年5月31日以前に建築された
○相続する直前まで被相続人の居住用に使われていた(事業用に使っていたら対象外)
○相続する直前まで当該被相続人以外に居住をしていた者がいないこと(貸付していたら対象外)
そして一番厄介なのが、
「相続開始の直前に被相続人の居住の用に供されていたこと」という条件
もし親からの相続だった場合、
「亡くなった親が、亡くなる直前まで自宅で暮らしていたことが証明できないと適用外」になるということです。
※老人ホームなどへの転居で住民票を移している場合なども適用外
昨今ほとんどの方が施設に入られるかと思います。
この厄介だった条件が、2019年度の税制改正で制度を適用するハードルをぐっと下げました!
新ルール
「2019年4月1日以降に売却した場合、老人ホームに転居していても※以下の条件を満たせば
3000万円の控除が認められるルールに変わりました」
※以下の条件とは…
○亡くなった親が要介護認定などを受け、かつ相続開始の直前まで老人ホームなどに入所していた
○亡くなった親が老人ホームなどに入所してから相続開始の直前まで、その自宅が本人によって
一定の使用がなされ、かつ事業や貸し付け、本人以外の者に居住されていたことがない。
この新ルールの適用を受けるには…
2016年1月2日以降の相続で、2019年4月1日以降に譲渡することが必要です。
また売却価格が1億円を超えると適用除外となります。
最後に…
この制度、3年という期限があります。
そして空き家率はこれからも上昇していくでしょう。
空き家を相続したら、早い段階で売るか貸すかを検討して、
いつまでにどうするかを期限を決めておきましょう!
税理士などの専門家に相談して助言してもらうのも、なお良いでしょう!
先延ばしにしていると、維持管理にも負担が掛かり、無駄なお金が出続けていくことになりかねません。