教えて!大棟梁
「無垢材(むくざい)」とはズバリ、木そのものを、家を建てるための部材として形を整えたもののことだ。「それならうちはフローリングだから、使ってるよ!」という方、表面が木に見えるだけでは無垢材とは言えないんだ。ぱっと見“木の家”風でも、実は薄い木の板を何枚も貼り合わせていたり、木以外の素材に薄く切った木を貼ったりして作った材木を使っていることが多いからね。そしてハウスメーカーでは多くの場合、こういった“擬似的な木”を使用しているのさ。
じゃあ、わざわざ見た目を木にしておきながら無垢材を使わない---その理由はいったいなんなのか、わかるかい?
それは、無垢材の経年変化に対するひとつの考え方によるものだろうな。無垢材は言わば“生きている木”であるため、年月とともに変化が目立ってくるんだ。変化の原因は、木に含まれる水分がだんだんと抜けていくこと。もちろん、材木として使われる木は十分に乾燥されているが、それでもその内部に含まれる水分はゼロじゃない。そして水分が抜けていくと何が起こるかというと、割れたり、板と板の間に隙間があいたり、反ってきたりと、生きている木ならではの変化が現れるのさ。
だからといって無垢材をあきらめるのは、You、まだ早いぜ。地元密着型の工務店なら、無垢材にこうした変化がおきたときのメンテナンスがスムーズにいく。そして木にはそれぞれ軟らかい、硬い、水に強いなどの特性があり、無垢材でないとその真価は発揮されないのさ。さらに、天然素材のみという安心感や肌触りの良さ、ほんのりとした温かさは、無垢材だからこそ享受できる豊かさなんだ。ちょっとした反りや隙間などは風合いととらえ、自分とともに成長する“生きている家”での暮らしを謳歌しようぜ!